春のヨーロッパ遠征、一か国目は中欧、スロバキア共和国から始まった。目的地は首都ブラチスラバ。チェコスロバキア時代から走り続けてきた路面電車を記録するためだ。
ČKDタトラ社が生み出した路面電車「タトラカー」は、かつて東欧諸国の都市交通の主力として活躍してきた。ここブラチスラバでも例外ではなく、70年以上に渡って市民の足として走っている。だが時代の波には逆らえず、新型車両の導入が進むにつれ、タトラたちは次々と姿を消しつつある。全廃の足音が聞こえてきた今、この街に残されたタトラカーの記録を残すべく、ブラチスラバにやってきた。