十勝バス 191号車

  大空団地線マルシェバス

2021年12月執筆

 

十勝バス(北海道帯広市)では、2021年12月5日〜2022年2月27日の木・日曜日に全国初の“マルシェバス”運行実証実験が行われている。

 

マルシェバスとは、路線バスに食品や日用雑貨を積みこみ、終点に到着すると即席のマルシェ(市場)に変化するバスのこと。

実証実験では帯広駅〜大空団地を結ぶ路線に投入され、大空団地内で地元デパートの商品等を販売する。

 

 

さて、このマルシェバス専用車両として抜擢されたのは191号車。

十勝バスの中でもかなり古い車両で引退も近いと思われていたものの、マルシェ機能を追加する大改造を受け現役続行となった。

 

帯広22う191  U-HU2MMAA 1992年式
帯広22う191 U-HU2MMAA 1992年式

マルシェバスに改造された191号車。
1992年式の日野ブルーリボン(U-HU)で、2021年現在の十勝バス最古参グループだ。
外装は専用のラッピングが施されていて実証実験段階の運行ながら凝ったデザインになっている。


改造前の姿(2020年撮影)
改造前の姿(2020年撮影)
これはマルシェバスになる前の191号車。
旧塗装、方向幕、エンブレム付きで人気の高い1台だったものの、近年はスクールバスの運用が中心で一般路線に入ることは少なかった。
この車両がマルシェカラーになったことで旧塗装の大型車は残り1台となる。


フロント部の装飾
フロント部の装飾

 

前面はフロントグリル風の装飾が目を引く。

十勝バス残り2台となった方向幕は維持され、マルシェバス専用のコマが追加された。

ライトベゼルは銀色に塗られている。

 

 

車内の店舗スペース
車内の店舗スペース


中ドアより前方は座席スペース、後方は店舗スペース。

商品棚には菓子や惣菜、野菜、雑貨などが並んでいた。


大空団地は近隣にスーパーマーケットや雑貨店は無く、コンビニが1軒あるだけなので定期的にマルシェバスが来るのは便利そうだ。

取材日が日曜日ということもありバスが到着する前から待機列が出来ていた。




運転席はあまり手を加えられず往年の姿のまま。

リアはナンバープレートの位置がマルシェバスへ改造する際に移動している。改造前はフラッシャーの隙間に設置されていた。



南の森西4丁目-光南病院前
南の森西4丁目-光南病院前

大空団地線は風景が特段良い路線というわけではないが、十勝飛行場付近の並木が立ち並ぶ区間は壮観だ。雪が積もる時期に再訪したい。

マルシェバスはこの路線を1日1.5往復している。
実証運行中は時刻表に載っていないダイヤで動くので乗客は少なかったが、マルシェ改造によって乗車定員が半分以下になっているので丁度良いのかもしれない。


帯広駅バスターミナル
帯広駅バスターミナル


351号車(KC-HU2MMCA)との並び。

グリルやベゼルカラーの差だけで全く違う車種のように見えてくる。

見比べてみると分かりやすいが黄色の色合いも若干違うらしい。



大空7丁目
大空7丁目

昼のマルシェ営業を終え、路線バスとして帯広駅へ。
帯広で商品を積み込むと再び大空団地行きになり夕方からマルシェを再開する。


十勝バスの新しい試み、マルシェバス。
利用者が伸びて今後も継続運行されることを願っています。

2021年12月13日撮影