2021年12月訪問
九州中央山地の宮崎県側に位置する人口約1000人の村、西米良村。
秘境の村とも言われる西米良では昭和生まれのレトロなバスが活躍している。
西米良村を走る民間バス路線は宮崎交通 西米良線の1路線のみ。
1日4往復(日曜は3往復)のバスが西米良村と西都市の間を往復している。
日野 P-RJ172BA 1987年式
宮崎22か762・宮崎22か763・宮崎22か764
2021年12月現在、丸目1灯タイプのレインボーRJが3台活躍している。
今や貴重な存在となった昭和時代のバスだ。
西米良線では路線バスで宅配便や郵便物を運ぶ貨客混載が行われており、これらの車両は貨物積載スペースを設置した専用車両となっている。
村の中心部にある“村所駅”
「駅」と言っても鉄道が走っていたわけではなく、国鉄バス西肥線の自動車駅として開業した場所である。
現在は西肥線を引き継いだ西米良村営バスに乗り換えることが出来る。
村営バスはリエッセやローザといったマイクロバスが主体だ。
“村所駅”を出発し村のメインストリートを進む。
秘境の村、西米良では柚子や椎茸、西米良サーモン、イノシシなどなど美味しい食材が豊富だ。
筆者のイチオシは椎茸南蛮。西米良名物の椎茸と宮崎名物の南蛮ソースが合わさった絶品料理である。バスが来ない時間帯は美味しい料理で舌鼓を打ちましょう。
市街地を出発して最初の狭隘区間は“咲山-湖の駅”にある交互通行区間。(交互通行区間外から望遠で撮影)
道路の拡幅工事が始まりそうな雰囲気があり、ここの狭隘区間は近いうちに消滅するかもしれない。
“湖の駅”から先は山岳路線のような雰囲気が出てくる。
それほど狭くはないものの所々離合困難な箇所が存在していた。
改良工事が進む国道219号線ではこのような区間も残り少なくなってきている。
レインボーRJばかりの路線に現れるエルガミオ。
西米良線の充当車両は殆どが87年式P-RJだが、写真のように他の車両が入ることもある。
運が良ければ富士重工6E架装のP-RMに乗れることもあるようだ。
“腰野尾”から先は未改良のトンネルが点在している。
とはいえ各所で新トンネルの採掘工事が行われており、このような光景もいずれ見ることが出来なくなるだろう。
西米良村を出て西都市内へ。
市内に入ってもしばらくの間、蛇行した狭隘道路が続く。
また、この区間は西都市コミュニティバスも並行している。
“診療所前”で狭隘区間は終わり。
ここから先は道路改良工事が完了しており終点西都まで2車線道路が続く。
終点“西都バスセンター”に到着。
昔ながらの建物が残るレトロ感溢れるターミナルだ。
ここは西米良線の他、宮崎市街や佐土原、高鍋町方面へのバスが発着している。
余談だが西都営業所の車両は全てヘッドライトが白色LEDとなっている。
80年代製の古い車両でも例外なくLED化されているため宮崎市内の車両とは違った顔つきだ。
間合い運用で“佐土原”へ向う西米良線専用車。
朝に“村所駅”から降りてきた車両は“西都バスセンター”で休憩の後、昼の“佐土原”行きになっていた。
※画像をタッチすると文章が表示されます。
レトロな車両と迫力満点な狭隘区間が楽しめる西米良線。
皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか?