現在台鐵に残る客車荷物輸送は3日間かけて台湾を1往復する1運用のみ。
というわけで、莒光號の残り香を求めて台湾へ行ってきた。
新竹駅で荷物輸送を撮影した翌日は台南の線路際で2種類の客車列車を撮影することに。
東芝製の新型電機 E500型が牽引する「PP自強號」。2024年にデビューしたばかりとは思えない堂々たる風格で、正統派の客車列車といえる姿がデンシャオタクの心をくすぐる。これからの台鐵を担う存在として、頼もしい姿だった。
翌日は台中まで北上し、海線を北上する莒光號を狙う。
日中時間帯に上ってくる莒光516次は荷物車のない8両編成。
夜に上る莒光554次は機関車次位に郵政行李車を連結した10両編成。荷物車内にほんのり灯った白熱灯が良い雰囲気を出している。
撮影後はこの列車を追いかけるため、高速鉄道で台北までワープすることに。台中港から新鳥日を経由し、台北の松山駅には莒光號の10分前に到着。ギリギリで追いついた。
莒光号554次が台北松山駅に到着。
ホームでは三輪の手押し荷車が2台用意されており、荷物の積み下ろしが行われる。積み荷には「JAやまがた」と書かれた段ボールが…! もしかすると、これは日本から輸出されてきたサクランボだろうか。国際的な物流の一端を、古風な手法で支えている点は非常にハオみが深い。
莒光號の運行本数が少しずつ減らされる中でも、荷物輸送を担う便は、しばらくの間は残される予定だという。
地味ながらも、確かに走り続ける台鐵の荷物輸送。その終着駅は、まだ少し先にあるようだ。
台鐵荷物輸送 時刻表(2025年1月現在)
莒光554次 潮州1300→花蓮056 機関車次位に荷物車連結
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莒光602次 花蓮631→台東1006 機関車次位に荷物車連結
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莒光653次 台東1135→彰化2251 最後尾に荷物車連結
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莒光501次 彰化525→潮州936 最後尾に荷物車連結
これ以外にも一部のEMU(電車列車)にて、客室の一部を荷物スペースとして使用するケースも確認されている。