撮影:2024年10月
かつて台湾では砂糖の生産が盛んに行われていて、各地にサトウキビ畑が広がっていた。これらの畑で収穫されたサトウキビの運搬に用いられたのが軌間762mmのナローゲージ路線“台灣糖業鐵路”。最盛期には台湾南部にて網の目のように軌道が張り巡らされていたそうだが、現在はその殆どが役目を終えて一部が観光鉄道として残るのみとなっている。
台南市新営区の新營糖厰 八翁線もその一つ。本来のサトウキビ列車は既に廃止になっているものの、週末には往年の貨物列車を模したトロッコや、日本製の気動車「勝利號」が運転されているとのこと。今回はこの勝利號を狙うため、台南を訪ねることにした。
勝利號は1949年に日立製作所で製造されたガソリンカー(現在はディーゼル化改造済み)で、かつてサトウキビ列車の傍らで運行されていた通勤列車向けの車両である。日本ではとうの昔に見られなくなったナローゲージの単行気動車を今も本線上で見る事が出来るのが嬉しい。
現在は八翁線 中興〜火燒店の観光列車として使われている。運行区間は台鐵新營駅から5km圏内に収まっているため、新營駅前の電動レンタサイクルを使用すると撮影しやすい。列車のスピードも遅いため追いかけると複数回撮影が可能だった。
いにしえのナローゲージ気動車を思い起こさせる勝利號。大変おブイでした。